体に必要な栄養素を吸収する方法は大きく分けて2つあります。
- 食べ物から吸収する「経口吸収」
- 皮膚から吸収する「経皮吸収」
私達が生きるうえで必要な栄養素に関しては、食べ物(口)から摂取するのが一般的ですよね。
逆に肌の老化を抑える為や保湿が目的であれば、化粧水や美容液で補っているかと思います。
でももし肌に良い成分だけでなく、体に悪い物まで皮膚から吸収される可能性があるとしたら?
これを「経費吸収(経皮毒)」と言われており、お医者さんや研究員の中でも意見が分かれる為、個人的な見解を交えつつお話しできればと思います。
【重要】学術的に経皮毒は存在しない
まず最初に重要なことを言わせて頂くと、大抵の人の場合「経皮毒」による影響を気にする必要はありません。
その理由として、女性なら誰もが使う化粧水や美容液が浸透している場所を考えると分かりやすいからです。
例えば化粧品の広告で、「肌の奥まで浸透」と言うキャッチコピーを見たことがあるかと思います。
その言葉だけ聞いたら「肌に良いもの」「保湿成分が長時間持続しそう」といったイメージを持ちますよね。
しかし残念なことに、化粧水が到達する「奥」とは、「角質層まで」という認識が一般的です。
つまり私達がイメージしている「肌の奥」と、実際に肌で起きていることには大きな差があると言うこと。
また表皮の中でも外側の部分である角質層だけでなく、第4層目にあたる基底層が絶えず分裂を繰り返している為、実は角質層は”生きている細胞”ではないのです。
ということは、常に垢として剥がれ落ちる角質層をいくら保湿しても、肌質を改善する効果は期待できないんですね。
これは「経皮毒」に対しても同じことが言えます。
ただし、かと言って100%問題ないかと言うとそんなことはありません。
あくまで”通常時”の話であり、体質的に肌が弱い方や肌荒れで悩んでいる方は、常に肌のバリア機能が低下している為、悪い成分を吸収してしまう可能性はあります。
ただそういった詳しい検証結果が無いことと、科学的な裏付けがないので、現状では極端に気にする必要は無いというのが個人的な見解です。
合成界面活性剤の使い過ぎは危険
「経皮毒」に関してそこまで敏感になる必要はないとは言え、”肌の洗い過ぎ”には注意が必要です。
特に気をつけてほしいのが合成界面活性剤による影響で、適度に洗う分には問題なくても、やり過ぎれば体を守るのに必要な皮膚のバリア機能を破壊してしまいます。
皮膚には元々「常在菌」がいて、この菌がいるおかげで保湿機能を維持することができています。
一つ目は皮膚表面や毛穴に存在する表皮ブドウ球菌(Staphylococcus epidermidis)です。表皮ブドウ球菌は汗(アルカリ性)や皮脂を餌にグリセリンや脂肪酸を作り出します。脂肪酸は肌を弱酸性に保ち抗菌ペプチドを作り出すことで、黄色ブドウ球菌の増殖を防ぎます。表皮ブドウ球菌が出すグリセリンは、皮膚のバリア機能を保つ役割があります。
二つ目はアクネ桿菌( Propionibacterium acnes)です。この菌は嫌気性菌であり、酸素ある環境ではほとんど増殖できず、死滅してしまいます。そのため、酸素を嫌い毛穴や皮脂腺に存在し皮脂を餌にプロピオン酸や脂肪酸を作り出すことで皮膚表面を弱酸性に保ち、皮膚に付着する病原性の強い細菌の増殖を抑える役割を担っています。一般的にニキビの原因と言われていますが、増殖しなければニキビの原因菌になりません。しかし、皮脂の分泌量が増えたり、何かの異常で毛穴をふさいだりすると、アクネ桿菌が過剰に増殖し炎症を引き起こしてニキビになります。
三つ目は黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)で、皮膚表面や毛穴に存在します。存在しているだけでは問題がありませんが、ブドウ球菌の中では病原性が高いため皮膚がアルカリ性に傾くと増殖して皮膚炎などを引き起こします。傷を受けた皮膚をそのままにしておくと化膿し悪化させてしまいます。
また界面活性剤は、親水基(水に馴染む成分)と親油基(油に馴染む成分)で構成されており、これらが混ざることで汚れを落とす仕組みになっています。
そして同じく人間の肌も親水基と親油基で構成されている為、お互いの成分で乳化してしまい、お肌のバリア機能である皮脂と一緒に洗い流してしまうのです。
その結果、お肌の表面はスカスカの状態で潤いを保持できなくなり、様々な肌トラブルを引き起こすことに。
つまり合成界面活性剤を使い過ぎるほど、お肌を守る機能が極端に弱まってしまうということです。
このような肌は外からの刺激に弱くなるだけでなく、水分や脂質を保てなくなり、流出しやすくなってしまうことから、経皮毒による影響を受ける可能性があると考えられています。
また合成界面活性剤は様々な物に使用されているので、知らないうちに常時肌に触れていることも。
特に下記の商品を購入する際には、天然・合成界面活性剤のどちらを使用しているのか、もしくは不使用なのかを必ず確認することをおすすめします。
合成界面活性剤を使用している商品
- シャンプー
- ボディソープ
- 洗顔フォーム
- 歯磨き粉
- クレンジング
- 乳液
- 化粧品
- ヘアカラーリング剤
化学物質の吸収率が異常に高い性器(陰部)・口の中
実は経皮毒を考えるうえで気をつけてほしいのが、身体の部位によって化学物質の吸収率が変わるということ。
引用元:IN YOU
特に「性器の吸収率」に関しては、皮膚と比べると異常なほど吸収しやすいことが分かります。
更にここでは記されていないのですが、実は口の中も吸収率が高く、これらに共通するのは「口・性器=粘膜=臓器」だということ。
つまり非常にデリケートな部分であるが故に、触れる物、洗う物には特に気をつける必要があります。
例えば市販の歯磨き粉を使う場合、洗浄力の強い合成界面活性剤を含んでいる為、その成分が粘膜を通して体内に浸透する可能性は十分考えられます。
しかし口から体内へ入った成分は、全て臓器が「分解→吸収→排泄」の過程を経る為、体に必要ない成分の90%が排泄されることに。
逆に皮膚から浸透した成分は、体内の脂肪組織に蓄積されるので、代謝されることなくそのまま体内に溜まってしまうのです。
これは性器(陰部)に関しても同じであり、「子宮、卵巣、精巣に毒素が溜まりやすい=精子の減少・子宮頸がん」などの関連性にも話が繋がります。
もちろん明確な定義が無いとは言え、少しでも可能性があるなら対策を考えておくべきではないでしょうか。
経皮毒による影響を減らす方法
「じゃあどうしたらいいの?」という方へ、一番良いのは肌に触れる・洗う物は全て無添加(オーガニック)商品に変える事です。
ただそれらを全部揃えようと思うと調べるのに時間が必要で、何よりコストがかかります。
なので私も実践してる事なのですが、今日から始められる対策を下記にまとめました。
- 化粧をしない日を週に何回か作る
- ファンデーションを使用しない
- 化粧水は100%天然成分の物を使う
- クレンジングを使わない
- 毎日シャンプーをしない(湯シャン)
- 界面活性剤不使用の歯磨き粉を使う
- 制汗スプレーを使用しない
- 下着やナプキンは綿や絹の物を使う
- 加工食品を極力食べない
この中でも特にやって頂きたいのが、「化粧をしない日を作る・毎日体(頭)を洗わない・下着やナプキンは天然成分の物を使用・加工食品を食べないこと」です。
先ほどの図でも説明されてたように、顔は成分の吸収率が高い為、クレンジングや洗顔の使い過ぎで肌荒れを起こしやすい部位になります。
なので普段から化粧をしない生活をしていると、お肌のターンオーバーが正常に行われ、自己再生能力により元々の綺麗な素肌に変化してきます。
もちろんそれに伴って生活習慣や食事にも気をつける必要がありますが、私自身が試してみて効果を実感したことなので間違いありません。(※体質や持続性によります)
また顔はもちろん、体に関しても素肌を守る為に洗い過ぎないように徹底すること。
これは芸能人のタモリさん・ローラさん・中村アンさんが有名ですが、洗浄剤の使い過ぎが老化を促進させてしまうとして、お湯だけで体を洗う方法になります。
最初は私自身も不安でしたが、始めて何年も経った今でも旦那や友達から「臭い」と言われたことは一度もありません。
もちろん臭いが出やすい部分(足・脇・耳の裏・性器)は石鹸で優しく洗い、それ以外はお湯で流しながら手でゴシゴシする程度。
実際にお湯で洗い流すだけでも汚れの70%が落ちると言われており、特に日本人は毎日お風呂に入る習慣があることから、臭いや汚れに関して気にし過ぎる必要はないんですね。
それよりも普段から加工食品や肉ばかり食べている方が体臭などの原因になる為、やはり体の内側から綺麗にする食事とのバランスが重要になってきます。
後は最低限、下着・ナプキンはオーガニックコットンの物を、性器・口の中を洗う際には界面活性剤不使用の物を使うことも大切です。
非常にデリケートな部分だからこそ、触れる物・洗う物にはある程度お金をかけるようにしましょう。
オーガニックコットン使用のナプキン
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まとめ
では最後に経皮毒に関してポイントをまとめます。
- 合成界面活性剤不使用の商品を使うこと
- 潔癖・洗い過ぎには気をつけること
- 特に性器・口の中で使用する物は天然成分にこだわること
- 加工食品を摂り過ぎないこと
一般的に経皮毒による影響は無いと言われていますが、かと言って100%問題ないと断言するのも問題だと思います。
まだまだ解明されていない部分がたくさんある中で、「科学的な証明がないから大丈夫」と楽観視する方が危険です。
実際に慢性的なアレルギーや皮膚病など、一向に治らない疾患で悩まれている方が増加している為、ストレスや食事はもちろん、体に触れる物・洗う物にも気をつけた方がいいです。
ぜひ今回の記事を参考にして頂き、一つの知識として今後の生活に活かしてもらえたらと思います。
では読んで頂きありがとうございました。
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