皆さんは苺は好きですか?毎年冬になると、ケーキ屋さんやスーパーなどでたくさん販売されている為、買われる方も多いかと思います。
栄養豊富で、子供から大人まで嫌いな人の方が少ない食べ物ですが、実は残留農薬が最も多い危険な物としても有名です。
ではなぜ苺にはたくさんの農薬が使われるのでしょうか。
また、もし購入するならどのような物を選べばいいのでしょうか。
今回は市販の苺に使われる農薬の危険性や、健康に良い苺の正しい選び方について解説したいと思います。
苺の基礎知識
苺は甘くて美味しいので、多くの方は果物だと思っていますが、実は「野菜の一種」なのです。
一見して種子に見える一粒一粒の痩果(そうか)が付いた花托(花床ともいう)部分が食用として供される。甘みがあるため果物として位置づけられることが多いが、草本性の植物であるので野菜として扱われることもある。
苺は「ビタミンC」を多く含んでおり、100gあたりの数値で見ると、レモンやキウイに次いで3番目に多いのも特徴です。
その為、美容に効果があるのはもちろん、アンチエイジング効果、食物繊維による腸内環境改善にも役立ちます。
またミネラル分も豊富に含んでいるので、カリウムによるむくみの解消、カルシウムによる精神を安定する効果も期待できます。
そしてほとんどの方が知らない事として、私達が食べている赤い部分は、実は「花托」と言われる物です。
花托は、被子植物において茎が厚くなった、そこから花が育つ部分である。ナシ状果やイチゴ等の偽果では、花托は果物の可食部に育つ。
なので苺の本当の実(み)は、つぶつぶの部分。そしてこのつぶつぶの中に種が入っているので、その種を畑に撒いて栽培します。
引用元:Taste of Home
実はかなり危険!イチゴの残留農薬量
実はあまり知られていませんが、イチゴの残留農薬量は野菜や果物の中でもダントツトップです。
むしろ残留量が多過ぎて、海外の一部の国では認可がもらえず、輸出することができないほどのレベルだと言われています。
ただ日本国内においては苺だけに限らず、国産の野菜や果物全般に使われる農薬使用量が多いのは有名な話です。
僕達日本人は中国やアメリカ産の方が危険だと思っていますが、それはただの勘違いで、物によっては海外では認められない野菜等が普通にスーパーで販売されています。
その中でも特に苺は害虫の影響を受けやすいので、農薬の使用量が多く、また農薬が食材内部に停滞しやすい為、残留量が多くなってしまうのです。
ちなみに苺を栽培するに当たって、農薬を何回散布するかご存知ですか?実は「平均50~60回程度」だと言われています。
この数字は「残留農薬が多いと言われるリンゴの2倍の使用量」になります。
またリンゴは皮を向いて食べる為、農薬の摂取量を多少減らすことはできますが、苺は丸ごと食べるので農薬による影響を受けやすいのも特徴。
ではなぜ大量の農薬を使用する必要があるのでしょうか?
苺栽培に大量の農薬が使われる理由
本来、苺の旬は春先の4月~5月ぐらいまで。しかし実際にスーパーに並ぶのは毎年12月~翌年の1月ぐらいからですよね。
また苺が最も売れる時期は12月であり、クリスマス時期に合わせて生産しているのが実情です。
でもここで疑問に思いませんか?なぜ旬の時期よりも前に収穫できているのかと。
その理由は、現在販売されている苺のほとんどは『ハウス栽培』によって生産されています。
促成栽培(そくせいさいばい)とは、露地での栽培(露地栽培)よりも成長・収穫・出荷を早くする栽培法。対義語は抑制栽培。また、温度や光線などを調節することで野菜・花卉の発育を促し、普通栽培よりも早く収穫する栽培法。農作物などを人工的に早く生長させる栽培。出荷時期を早めることで、商品価値を高めることにつながる。夏野菜をハウス栽培等により、春に収穫するなどの例がある。
ハウスで育てるメリットは、「気温や天候による影響を受けずに、季節をずらして高値で出荷できること」です。
つまり出荷時期を人工的に早めて、一番儲かる時期(12月)に出荷できるようコントロールしているということ。
これこそが、苺の農薬使用量にも大きく関係しています。
元々苺は、栽培するうえで最も難しい野菜の一つでした。なぜなら害虫や鳥などによる影響を受けやすいからです。
また苺の原産は南北アメリカであり、基本的に日本の気候や土壌は合いません。
そこで開発された方法がハウス栽培なんです。高温多湿な環境を人工的に作り出すことで、収穫時期や天候に左右されずに生産することが可能になります。
しかし、高温多湿であるが故に更に害虫による被害が大きくなりました。
そういった経緯から「農薬」が使われるようになったのです。
また害虫と言っても1種類だけではないので、全ての害虫を除去する為には農薬の種類や、散布する回数を増やさなければなりませんよね。
このような理由があって、現在の苺栽培の方法が普及していくことになりました。
苺に使用される農薬(ネオニコチノイド)の危険性
苺農家さんの事情は分かって頂けたと思います。
しかし問題はそれだけではありません。世界では禁止されてる農薬「ネオニコチノイド」の国内での使用が認められていることです。
ネオニコチノイドは一般に比較的水溶性が高いものの、植物体への浸透移行性も有するため、残効が長いという特長を有する。このため、殺虫剤の散布回数を減らせるため、世界各国において主流の殺虫剤として用いられ、1990年代から使用が急増した。その後、世界各地でミツバチの大量失踪事例、いわゆる蜂群崩壊症候群が多発したため、ネオニコチノイド系殺虫剤が一因ではないかと考えられている。
ネオニコチノイド系の農薬は神経毒の作用が強く、また水溶性で長期間に渡って残留する性質があることから、花粉や蜜を餌とするミツバチなどへの影響が懸念されています。
その結果欧州連合(EU)では2018年、登録ネオニコチノイド主要5種の内3種を使用禁止、フランスは主要5種全ての禁止を発表。
また人体への影響として下記のような報告もあります。
農産物の可食部に残量したネオニコチノイド系農薬で、経口摂取による健康障害が生じたとされる事例が報告されている。報告されている症状は、亜急性のニコチン中毒症状に類似し亜急性の頭痛、めまい、吐気、嘔吐、胸痛、動悸、筋肉痛、筋脱力、振戦、記憶障害、発語障害、意識障害、心電図異常などで、WPW(ウォルフ・パーキンソン・ホワイト)症候群と診断された患者がいた。その有症者からは、ネオニコチノイドの代謝物である6-クロロニコチン酸が、尿中からLC/MS法検出された。
もちろん全ての人に影響を与える訳でありません。
しかし農薬は少しずつ体内に蓄積する性質があることから、将来的に発症する病気と密接に関わっている可能性があるのです。
つまり農薬残留量が多い野菜や果物を知っておくことは、ご自身の体を守る為にも必要な知識なんですね。
※ネオニコチノイド系農薬の一日摂取許容量
農薬などの成分が食品に残留する場合、「人が一生の間、毎日とり続けても健康に影響しない量」の指標として「一日摂取許容量」が設けてあります。
ネオニコチノイド系農薬の一日摂取許容量は「0.012~0.53mg/kg/日」と設定されています。
しかし国内で生産される一部の野菜や果物に使用される量は、欧米の数百倍の物もある為、食べる量によっては摂取量がオーバーしてしまう可能性もあります。
健康に良い苺の正しい選び方
最初にお伝えしておきますが、国内で完全無農薬の苺を手に入れるのは非常に難しいです。
なぜなら、やはり農薬を一切使わずに栽培するのが難しいから。
なので無農薬の苺を手軽に食べたいなら、ご自身でプランターを買ってきて育てるしか方法がありません。
また僕自身も農地を借りて苺を育てていますが、時間がある方は実際に畑で栽培してみるのも有りでしょう。
それが難しい方は、スーパーで買ってきた苺を少量なら食べてもいいと思います。
ただし念の為に、野菜や果物に付着した農薬を除去する洗浄剤を使用するようにしてください。
もちろん完璧を求めると物足りない部分もありますが、使わないよりは圧倒的に良いです。
実際に使ってみると黄色い油みたいなのが浮いてきて、野菜がフレッシュな状態になり、美味しさが増すような気がします。
他にもネットで調べると、無農薬の苺を栽培されている農家さんもいるので、時期に合わせて予約注文しておくのもいいと思います。
無農薬の苺は大変希少で、なかなか手に入らない物だからこそ、農薬を使わずに育てているこだわりの農家さんを応援していきたいですよね。
ただそれだけの手間暇かけて栽培しているので、価格が高くなってしまうのがデメリットです。なので理想は、プランターを使ってご自身で栽培することをおすすめします。
実際に始めてみると想像してるよりも簡単に作れる為、時間に余裕がある方はぜひ挑戦してみましょう♪
まとめ
今回は市販の苺を食べない方がいい理由や、使用される農薬の危険性について解説させて頂きました。
苺は美味しいだけでなく栄養も豊富に含んでいるので、できれば食べた方がいい果物の一つです。しかし市販の苺のほとんどが農薬たっぷりである為、食べ過ぎないようにしてください。
また少量だとしても、なるべく農薬洗浄剤などを使用して、直接的な影響を受けないように工夫することも大切です。
多少面倒に感じるかもしれないですが、このひと手間が将来の自分の健康に大きく関わってくる為、妥協しないようにしましょう。
ぜひ今回の記事も参考にしてくださいね。読んで頂きありがとうございました。
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