皆さんは、牛肉を買う際に何を基準に購入されますか?
見た目・値段・産地など、人ぞれぞれ見るポイントが違うとは思いますが、実は多くの人が選び方を間違っています。
確かに外国産より国産の方が美味しいのは分かりますが、牛肉に関して言えば国産だから必ず安心とも言えません。
食べ方や選び方を間違えてしまえば、産地関係なく健康を害する可能性があります。
では一体どのように選べばいいのでしょうか。
ぜひ今回の記事を通して正しい牛肉の知識、そして少しでも購入する前に考えるきっかけにしてもらえたら嬉しいです。
国産牛と和牛は似てるようで違う
国内で生産された牛には「国産牛」と「和牛」の2つに分かれていますよね。実は両者は同じようで全く異なる性質を持っています。
- 【国産牛】=品種・生まれに関係なく日本での肥育期間が長い牛
- 【和牛】=肉専用種に指定された4つの品種であり国内で出世・飼育された牛
これだけではちょっと分かりにくので、「国産牛」に関して詳しく書いてある記事を参考にさせて頂きました。
- 外国産であっても日本で最も長い期間飼育されていれば「国産牛」になる
- 和牛、乳用種、交雑種、外国種が含まれる
- 55%以上が乳用種との交雑種
次に「和牛」に関しても、同じサイト内に記載されている内容を参考にさせて頂きます。
- 「国産牛」の一種
- 「黒毛和種」「褐毛和種」「日本単角種」「無角和種」の4種、及び4種間交雑、及びその交雑種に4種のいずれかを交雑した牛
- 上記の事から銘柄が付いていても和牛というわけではない
このように僕達日本人が知ってるようで、実は知らなかったという方も多いのではないでしょうか。
特に注目してほしいポイントが、「国産牛」に記載されている”外国産であっても日本の飼育が長ければ国産牛になる”というところです。
要はいくら「国産」と記載されていても、外国産の牛が混じっているという場合もあるという事。
もちろん輸入する段階で様々なデータを元に検査をするとは思いますが、外国産の中でもどこの国の生まれかで話が変わってきます。
特にアメリカ産牛肉の場合、全ての商品が危険だとは言いませんが、物によってしっかり吟味して選ばないと体に悪影響を与える物も実際に存在します。
当サイトで外国産牛肉の危険性に関してまとめた記事があるので、ぜひ興味がある方は一度読んでみてください。
皆さんは牛肉を購入する際に国産・外国産のどちらを選びますか? 人によって味や食感、値段で選ばれると思いますが、実は健康面で考えた際に外国産の牛肉は極力買わない方がいいです。 じゃあ国産の牛肉なら安心なのかとい[…]
これら様々な種類の牛肉が存在する日本ですが、一般的にスーパーに置いてある物、または日本人が好んでよく食べるのが黒毛和種です。
脂が多くて確かに美味しいし、とろけるようなあの食感は世界一の牛肉だと言ってもいいでしょう。
しかし、かと言ってじゃあ健康に何の問題も無いかというとそんな事はありません。
下記では国内における問題点について確認すべきポイントをまとめてみました。
霜降りの和牛と外国産牛の違い
まず和牛(国産牛)と外国産牛の大きな違いと言えば、赤身と脂身のバランスですよね。
基本的に外国産牛肉でサシが入った脂たっぷりの牛肉が売られているのを見たことがありません。
もちろん人種によって好みが分かれるので、欧米人は脂少なめな肉質の方が人気で、日本人を含めたアジア系の人には和牛が好まれたりします。
更にはその国によって飼育の方法や飼料も全く異なります。
例えばアメリカやオーストラリアは、国土が広く、その広大な土地をうまく活用して『放牧』で飼育されているところが多いです。
穀物や雑草などを食べて成長し、日頃から運動量が多いのもあって無駄な脂肪が少ない締まった肉質をしています。
では和牛を含めた脂肪の多い牛はどのように飼育されているのでしょうか。
牛の寿命は20年ほどと言われていますが、肉用に飼育される牛は2年から2年半ほどで出荷、と殺されます。
霜降り肉がもてはやされる日本では、肉牛の多くは牛舎内で一生のほとんどの時間を過ごしており、特に肥育後期にはより太るよう濃厚飼料が多給され、生後1年以上の肥育牛の約90%は、放牧場や運動場に放されることなく(2009年畜産技術協会調査)、出荷されるまでの期間を牛舎内で過ごします。
このように霜降りの牛にする為には、意図的に太らせないとあのような脂肪は蓄積されません。
もちろん国内で生産される牛に関しては、外国産に比べてサシが入りやすい遺伝子を持ってるのもありますが、それでも自然に育てた場合と牛舎のみで育てた場合は全く違う肉質になります。
他にも国産の牛肉として生産される牛には下記のような懸念点も挙げられます。
筋肉繊維の中へ脂肪を交雑させるために、脂肪細胞の増殖を抑える働きのあるビタミンAの給与制限が行われます。
ビタミンA欠乏が慢性的に続くと、光の情報を視神経に伝えるロドプシンという物質が機能しなくなり、重度になると、瞳孔が開いていき、失明に至ってしまいます。
国産牛(和牛)の危険性と正しい選び方
では以下、参考程度に国内の生産業者の実情を読んでみてください。
高カロリーの配合飼料を長期間与えて、かつ人為的にビタミンAを欠乏させて肥育(太らせることを目的に飼育する)するという、世界でも特異な飼育方式が主流です。
黒毛和牛を霜降り牛肉にするためには、生後3か月くらいまでに乾草を十分に食べさせ、それ以降は筋繊維の間に脂肪を入れ込むために極端に高カロリーの濃厚飼料を与え、粗飼料は反芻を促すために必要最低量の乾草や稲ワラしか食べさせず、運動をさせないようにしています。
引用元:谷田茂さんのブログ
これは人間で言えば、全く身動きとれない狭い部屋で、ひたすら高カロリーのご飯を食べさせられてる状態。
そうなるとただ単に太るだけではなく、メタボリックや生活習慣病などの病気になりやすくなるのは当たり前ですよね。
その結果、牛舎の中では様々な異常な事が起き始めます。
牛は自由な行動や遊びができなくなって、牛特有の行動要求(本能的な動きや習性)を充たせなくなり、ストレスがたまって心の葛藤状態や欲求不満が続き、異常行動(仲間の乳首や陰嚢をしゃぶる、舌遊び、犬座姿勢など)が現れるようになります。
感情を表すことや行動要求を抑制されたことによる絶望感が牛の精神に異常を来したといえるのではないでしょうか。
多くの牛舎は風通しが悪くてほとんど日が差すことがなく、コンクリート製の糞尿排出溝に生の糞尿が溜まるなど衛生状態もよくなく、病原菌や寄生虫が繁殖しやすい状態になっています。
そこで、牛舎内の病原菌や寄生虫類を駆除するために殺虫剤、殺菌剤がまかれ、病気予防のために抗生物質などの薬剤が大量に使われます。
動物用医薬品として病気の予防や治療に使われ、飼料添加物として餌に混ぜられる抗生物質の量は、人間の医療用に使われる抗生物質の量の2倍以上といわれています。
引用元:谷田茂さんのブログ
牛でも人間でも、高カロリーでビタミンAを極端に減らした食事を続けると、肥満が止まらなくなり、失明、脂肪肝、動脈硬化、糖尿病になる事が分かっています。
更にそこに不衛生な環境による感染症や、抗生物質による薬漬け状態が健康な体だと言えるのか、一度考えてみてください。
国産牛の正しい選び方とオススメ商品
もちろん日本中にある全ての業者が上記のようなことをやってる訳ではありません。
ものすごくこだわって良質な餌を与え、適度に運動させたり、徹底した品質管理を行っている業者もたくさんあります。
そしてそれだけの手間やコストがかかっているから同じ国産でも値段が違う訳で、ブランドや等級が加わると更に値段が跳ね上がります。
ただ安くても美味しいお肉は市場にたくさん出回っているので、正しい選び方を知っておくと無駄に高いのを買わなくて済みますよ♪
美味しい肉の選び方
- パック内に赤い肉汁が垂れてる物は鮮度が悪い
- 国産牛よりも和牛の方がサシが多い
- 見た目が明るく淡い赤色の肉が若くて美味しい
- 表面が乾燥してたり、くすんでるのはNG
- 白に近い乳白色の脂身が多い肉を選ぶこと
- ブランドではなく等級(A5等)で選ぶこと
また上記でまとめたお肉の選び方以外にも、以下のことも意識しましょう。
- なぜ安いのかを知ること
- 市販で売られている適当なお肉は買わない
- 安全性の高い生産者のお肉を買うこと
これらを意識して判断・購入するだけでも、危険となる部分はかなり排除できると思います。
では最後に個人的にオススメの生産者さん、安全性の高い牛肉のリンクを貼っておきますね。
実際に見てみて、気になる商品があれば実際に注文してみてください。市販で売られている物より遥かに安全で美味しい物はたくさんあるので、一度食べたら病みつきになりますよ♪
まとめ
私達の生活に欠かせないお肉ですが、実際は国産・外国産に関わらずたくさんの問題があるのが食肉業界の現状です。
だからと言って一切食べない訳にもいかないし、結局は何を選ぶかはご自身の判断に任せるしか方法がありません。
ただ安い物には安い理由があり、高い物にもまた高い理由があります。
その知識を知ってるかどうかは大きな違いであって、そのうえで購入されるか判断してもらえればいいでしょう。
しかし昨今の病気の発症者数の増加や、様々な体の異常には必ず私達が口にする食事が大きく関わっているのは間違いないです。
何を食べるかよりも何を食べないかを意識しつつ、より健康でいる方法の一つとして、牛肉事情を知るきっかけにしてもらえたらと思います。
他にも牛肉に関する記事をいくつかまとめてあるので、興味がある方はそちらも参考にしてくださいね。
今回も読んで頂きありがとうございました。
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