皆さんが普段食べているお米は、どのような基準で選んでいますか?
スーパーに行けばたくさんの種類が置いてあり、「なんとなくコシヒカリかな。。」「どれも大して変わらないでしょ。。」そう思っている方も少なくないと思います。
しかしお米の正しい選び方を知っておくと、毎回の食事が楽しみになるだけでなく、料理や気分に合わせて選択肢の幅が広がるので、知識として蓄えておいて損はしません。
そこで今回は美味しいお米の選び方について解説したいと思います。
玄米・普通のお米・無洗米の違い
まず最初に玄米・白米・無洗米の違いを理解しておく必要があります。
- 【玄米】:お米の籾殻(もみがら)を取り除いたもの
- 【普通のお米】:精米して表面の糠や胚芽を取り除いたもの
- 【無洗米】:白米に更に手を加えて肌糠を取り除いたもの
例えば普通のお米は炊く前に水で研ぎますよね。その理由は、通常の精米では取りきれなかった「肌糠(はだぬか)」を洗い流す必要があるからです。
肌糠が残っていると臭みが残り、粘着性があって美味しく仕上がりません。
ただこの一連の行程が面倒に感じる方もいて、そういった方には水で研ぐ必要のない無洗米がおすすめです。
では普通のお米と無洗米には栄養価の違いなどあるのでしょうか?
普通のお米よりも無洗米を勧める理由
無洗米を加工する過程で、栄養素や旨味成分も一緒に削り取ってしまうのではないかと言われていますが、実はお米に含まれるミネラル分(ビタミン等)は水溶性である為、水洗いをした方が外に流れ出てしまう性質があるのです。
なので比較すると、無洗米の方が栄養素や旨味成分が残っている可能性が高いのです。
またその他にも、無洗米にはたくさんのメリットがあります。
- 面倒な研ぎの作業が不要
- 水道代の節約になる
- 研ぎ汁による環境汚染を防ぐ
- ビタミンB1やナイアシンの含有量が多い
無洗米を選ぶメリットはたくさんありますが、唯一のデメリットに挙げられるのが白米よりも価格が5~7%程度高くなってしまうことです。
でも実は白米は何度も水で研ぐ必要があることから、水代を含めたトータルコストで比較すると大して変わらないんですね。
無洗米を選ぶ際の注意点
普通のお米は、精米機を使って米同士をこすり合わせ摩擦の力で表面の殻を取り除きます。
しかし無洗米の場合は、特殊な精米技術により、更に表面の肌糠を除去する行程が必要です。
その除去にはいくつかの方法があります。
- 金属の筒の中で白米を高速回転させて落とす方法
- タピオカに糠を付着させて除去する方法
- 水洗いして除去する方法
これらはいずれも、”化学物質などは一切使わない方法”で除去されています。つまり、普通のお米よりも手間がかかっているので、価格が高くなってしまうのです。
ただスーパーに行くと、無洗米なのに安い商品が売られていますよね。それは「くず米」と言われる、粒が小さいお米が混ざっていることに理由があります。
食用に利用できない米。精米中に砕けた米や、未成熟な死米、形の小さすぎる米など。不完全米とも言う。
本来「くず米」は加工用に使われるものですが、格安で売られているお米を調べると、明らかに粒が小さく黄色味を帯びており、味も香りも悪いお米が一部混合しているのを見かけます。
なのでお米選びで失敗したくないなら、平均的な価格(極端に安過ぎない)以上の商品を購入するようにしてください。
無洗米に限らずお米を買う際は、粒の大きさを確認するようにしましょう。くず米は見た目ですぐ分かるので、もし混ざっていたら買わないこと。
個人的にはスーパーで売られているお米よりも、ネットで販売されている農家直送の商品や、平均的な価格よりも少し高いお米を買うようにしているよ!
日常的に食べる物だからこそ損したくないし、なるべく安全なお米を食べることは健康にも関わる話だからね♪
お米の銘柄(品種)の特徴・違い
ではお米の銘柄(ブランド)の特徴や違いについて解説していきましょう。
ただ全種類を紹介するとキリがないので、有名どころの銘柄だけを選んで下記にまとめました。
コシヒカリ
【甘味】
【粘り気】
- 国内の作付面積の3分の1を占める
- 味・生産量・人気度No1
- 飲食店で一番多く使われる
- 甘味と強い粘りが特徴
つや姫
【甘味】
【粘り気】
- 山形県が10年かけて開発したブランド米
- 明治時代の「亀の尾」がルーツ
- 旨味成分の含有量はコシヒカリを超える
- 炊き上がりが艶やかで美しい
あきたこまち
【甘味】
【粘り気】
- 秋田県で誕生したブランド米
- コシヒカリに奥羽292号を掛け合わせたお米
- コシヒカリよりもあっさりしている
- 和食との相性抜群
ササニシキ
【甘味】
【粘り気】
- 昭和60年代に大人気になったお米
- コシヒカリよりもあっさりとした味わい
- 高級寿司店でよく使用される
- 粘りが少ないのでチャーハンに最適
ひとめぼれ
【甘味】
【粘り気】
- コシヒカリと初星を交配させた品種
- ササニシキを継ぐ人気ブランド米
- 適度な粘り・甘さがある飽きのこない味が特徴
- 冷めても美味しいのでお弁当に最適
ゆめぴりか
【甘味】
【粘り気】
- 2008年に北海道で誕生したブランド米
- コシヒカリ・あきたこまちと交配
- 粘り気が強くふっくら柔らかいのが特徴
- 冷めてもモチモチしているのでお弁当に最適
ミルキークイーン
【甘味】
【粘り気】
- 日本全国の米どころで広く栽培
- 農薬を減らした黒酢製法のお米
- 他銘柄と比べて劣化にしくく丈夫
- 強い粘り気・甘味・もちもち感が特徴
森のくまさん
【甘味】
【粘り気】
- コシヒカリとヒノヒカリを交配して開発
- 名前の由来は「森の都・熊本で作られたお米」
- 適度な弾力がありながら後味さっぱり
- どんな料理にも合わせやすい
お米を購入する前に確認すること
お米の品種に関して理解して頂けたら、次は買う前に確認してほしいことがあります。
保存性や健康面にも大きく関わってくる話なので、これから説明する2つのポイントは絶対に抑えておいてください。
お米の鮮度(精米日)
お米は品種で選ぶことも大切なのですが、忘れてはいけないのが「お米の鮮度」です。
精米した直後から日にちが経つほどに味も鮮度も落ちてしまう為、購入日と精米日の差が少ないお米を買うようにしましょう。
また一度に多く買うよりも、「2週間くらいで食べ切れる量」にすることで、鮮度が高い美味しいご飯をいつでも食べることができます。
特別栽培米(有機栽培)
お米を栽培する際、一般的には農薬や化学肥料が使われますが、その成分のほとんどが水溶性である為、お米の表面から内部にかけて蓄積していく性質があります。
そのことを「残留農薬」と言われており、人体への影響が懸念されています。
ただ一部の農家さんには、そういった問題に真剣に取り組んでいる方もいて、農薬や化学肥料を使わない・極限まで減らした「特別栽培米」を生産しているところもあります。
~特別栽培米とは~
その農産物が生産された地域の慣行レベル(各地域の慣行的に行われている節減対象農薬及び化学肥料の使用状況)に比べて、節減対象農薬の使用回数が50%以下、化学肥料の窒素成分量が50%以下、で栽培された農産物です。
多くの日本人にとってお米は毎日食べる物ですし、日々の蓄積によって様々な病気(アレルギー・自閉症など)を発症する可能性がある為、ご自身や家族の為にも、特別栽培米や有機栽培米を食べることをおすすめします。
またお米の味や食感を含めて、美味しさを決める要因になっているのが「デンプンの含有量」です。
デンプンには「アミロース」と「アミロペクチン」の2種類があり、この含有率の違いによりお米の性質が大きく異なります。
具体的な例を出すと、「もち米」みたいにもちもちした食感になるほどアミロースの含有率が少なくなり、あっさりとした味わいになるほどアミロースの含有率が多くなります。
ライフスタイルに合わせたお米の選び方
お米は銘柄や値段で選ぶだけではなく、”食生活やライフスタイルに合わせる”ことも大切です。
なぜなら普段食べている食事との相性はもちろん、家族構成、お米を食べるタイミングなど、それぞれの生活環境に合ったお米を選ぶ必要があります。
朝ご飯をしっかり食べたい方
一日の中で朝ごはんを重視しているなら、胃腸に優しく、さっぱりした味わいの品種がおすすめです。
おすすめ品種
- ササニシキ
- ななつぼし
- さがびより
育ち盛りのお子様がいる方
育ち盛りでお米をたくさん消費する家庭には、歯ごたえがあって子供も食べやすいお米がおすすめです。特に「から揚げ」や「ハンバーグ」などの肉料理に合う品種が最適。
おすすめ品種
- あきたこまち
- ふっくりんこ
- ひとめぼれ
- 森のくまさん
自炊が少ない一人暮らしの方
普段は外食が多く、あまり自炊をしない一人暮らしの方には、栄養価が高いお米がおすすめです。また冷凍保存することも考えて、冷めても美味しい品種が◎。
おすすめ品種
- ミルキークイーン
- つや姫
- コシヒカリ
- ゆめぴりか
ダイエット中だけどお米も食べたい方
ダイエット中の方はお米などの炭水化物を控える傾向にありますが、選び方・食べ方を間違わなければ食べても問題ありません。特に粘り気や甘味が少ないさっぱりとした品種がおすすめです。
おすすめ品種
- ササニシキ
- ひとめぼれ
料理が好きな方
普段から料理を作るのが好きな方には、粘り気や甘味が強過ぎない、さっぱりとした味わいのお米がおすすめ。特に日本料亭やお寿司屋さんで使われているお米を選ぶようにしましょう。
おすすめ品種
- ひとめぼれ
- ヒノヒカリ
- ナナツボシ
- ササニシキ
体調が悪い方
風邪や熱がある時など体調が悪い時には、消化吸収が良く、栄養価の高いお米がおすすめ。
おすすめ品種
- ゆめぴりか
- つや姫
本当に美味しかったお米
ここからは実際に試してみて本当に美味しかったお米を紹介していきましょう。どれもAmazonや楽天で購入できるから、ぜひ一度試してみてね♪
ゆめぴりか
北海道の広大な土地で農薬や化学肥料を一切使わず、伝統的なアイガモ農法で栽培されたお米です。
アイガモは田んぼに生える害虫や雑草を食べ、そのフンが有機肥料として混ざることで、生態系を崩さずに自然の状態を維持したまま育てることができます。
また、ゆめぴりかならではのモチモチ感やツヤ感がより一層引き立ち、かと言ってしつこくない自然な味わいがとても気に入っています。
つや姫
山形を代表するブランド米「つや姫」は、スーパーなどでも買える手頃さがありながら、見た目・美味しさは他の品種を圧倒する魅力があります。
昼夜の寒暖差が激しい地形を活かして、減農薬・減化学肥料で栽培されている為、味だけでなく安全性も高い一品です。
どの品種にするか悩んだらとりあえず「つや姫」を選んでおけば間違いないので、まだ食べたことがない方は一度試してみることをおすすめします。
ササニシキ
最近は生産者が少なくなりつつある「ササニシキ」ですが、粘り気と甘さがありながら後味さっぱりの絶妙な味わいは、他の品種では体験できない魅力があります。
特に生産者の「おきたま興農舎さん」は、無農薬や特別栽培のお米・野菜が大変好評で、ササニシキに関しては農薬は通常の5割減・化学肥料は7割減の特別栽培米を提供しています。
またコシヒカリなどの甘味が強い品種と違って、あっさりしつつも、もっちり感もあるちょうど良いバランスが、和食・洋食関係なく合わせやすいのが特徴です。
まとめ
今回はお米の品種による特徴や違い、そして正しい選び方について解説させて頂きました。
お米はただ美味しく食べればいいというものではなく、その人のライフスタイルや食の好みなどに合わせて選ぶことで、食事による満足度を倍増させる効果があります。
またスーパーでは手に入らない希少なお米が、ネットで簡単に手に入るようになったので、ぜひ減農薬や減化学肥料の特別栽培米を試してみてください。
いつも食べているお米とは違った自然な美味しさを堪能することができ、体の中にスッと入り込んでくる感覚を味わうことができます。
ぜひ興味がある方は、今回紹介させて頂いたお米を食べてみてくださいね。
では今回はこの辺で、読んで頂きありがとうございました。
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