皆さんに質問です。普段使っているシャンプーにどんな成分が含まれているかご存知ですか。
ほとんどの方は特に確認したこともないでしょうし、そもそも、そんなことを気にして購入する人の方が少ないですよね。
でも実は、市販のシャンプー含め、美容院で売られているシャンプーが必ずしも安全とは言い切れません。
むしろ、価格やブランド、美容院で売っているからという理由だけで判断すること自体危険です。
そこで今回は、美容師である僕がおすすめする正しいシャンプーの選び方や、買ってはいけない危険な成分について詳しく解説していきたいと思います。
市販・美容院のシャンプーを安易に買ってはいけない理由
ではなぜ、安易な理由で市販のシャンプーを買ってはいけないかというと、それは含まれる成分に理由があります。
実は市販で売られているシャンプーのほとんどが、「石油由来の界面活性剤」をベースに作られています。
「界面」とは「境“界面”」という意味で、「界面活性剤」とは、油と水など、混ざり合わない物質の間にできる境界面(=界面)の性質を変え、混じり合わせることができるようにする物質です。シャンプーなどに使われる界面活性剤はこれらの作用から、水だけでは落とせないワックスやヘアスプレー、皮脂などを包み込んではがしやすくするのです。
もちろん界面活性剤が必ずしも問題ではなく、食料品、化粧品、石鹸などにも使われているため、全ての人に悪影響を与える訳でありません。
ただし、シャンプーなどに使用されている界面活性剤の多くは、効率よく汚れを落とすために洗浄力が強く、人によっては向かないケースもあるのです。
つまり市販のシャンプーは、天然由来の洗浄剤と比べると肌への刺激が強過ぎるため、皮膚の保護膜を傷つけ、どんどん肌が弱くなってしまう可能性があります。
なので、スーパーや薬局で売られているもの、美容院で売られているものを含めて、どんな成分で作られているのかを把握したうえで購入することが何よりも大切なのです。
ほとんどの方がTVCMや、ネットの口コミに影響されて安易に買ってしまうため、まずは一旦成分表を確認することから始めるようにしてください。
ではもう少し踏み込んだ話を下記で解説していきましょう。
シャンプーに含まれる危険な4つの成分
合成界面活性剤
要注意成分
- ラウレス硫酸ナトリウム
- ラウリル硫酸ナトリウム
- スルホン酸ナトリウム
人の肌は皮脂と汗を分泌してくれるおかげで、天然の皮脂膜を形成し、体の内部を保護してくれる役割があります。
しかし界面活性剤には、通常分離してるはずの水と油を混ぜ合わせる性質があるため、頑固な汚れなどを落としながら、皮膚表面の皮脂膜(水+油)までも洗浄してしまうのです。
つまり常に皮膚表面を合成界面活性剤などで洗い続けると、「皮膚を守る働きがない状態=肌荒れや炎症」などを引き起こします。
また頭皮だけではなく、ヘアカラーやパーマなどでダメージが進行している髪にも、更に促進させてしまう可能性があるので注意しましょう。
シリコン
要注意成分
- ジメチコン
- ジメチコール
シリコンは髪に滑らかさを与えるために必要な成分で、主にトリートメントを中心に、一部のシャンプーにも配合されています。
ではなぜ良くないと言われているのかというと、使い続けるほどに髪や頭皮に蓄積し、髪がベトつく、カラーやパーマに影響が出る、頭皮トラブルが起きやすいことが挙げられるからです。
例えば大半のトリートメントにはシリコンが含まれていますが、皮膚に直接付けないため、頭皮への影響は少ないと言われています。
しかしシャンプーに配合されている場合は、泡立てながら頭を洗うので、髪だけでなく頭皮にまで浸透し、毛穴を塞いでしまうことが危惧されているのです。
もちろんその後、しっかりお湯で洗い流せればいいのですが、流しが甘いとシリコン成分がそのまま蓄積し、炎症やフケの原因を作り出します。
防腐剤
要注意成分
- メチルパラベン
- 安息香酸
- ソルビン酸
防腐剤はシャンプーだけでなく、化粧品などにも使われており、品質を保つためには必要な成分です。
しかし敏感肌の方には多少の刺激を感じる方もいるため、なるべく上記に挙げられる防腐剤を含まない商品を選ぶようにしてください。
また食品では炭酸飲料、ハム、ケチャップなどに含まれているのですが、実は染色体異常や発ガン性などとの関連性が疑われているので、積極的に摂ってはいけない成分の一つでもあります。
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合成着色料
要注意成分
- 赤色◯号
- 黄色◯号
- 青色◯号
シャンプーに使われている合成着色料は、成分としての効果というより、商品イメージの見た目を良くするために使われていることがほとんどです。
特に気をつけてほしいのが、「タール色素」と言われる赤色◯号といったもので、頭皮に付着すると、痒み・フケ・抜け毛などの原因を作り出してしまいます。
また口や粘膜から浸透することで、アレルギーや発ガン性なども疑われているため、着色料を含まないシャンプーを使うのが理想的です。
【美容師推薦】正しいシャンプーの選び方+おすすめ商品
次に美容師である僕がおすすめするシャンプーの選び方&商品を紹介していきましょう。
シャンプーを選ぶうえで大事なポイントは2つだけです。
- 購入する前にシャンプーの成分表を確認すること
- アミノ酸系・石鹸系の無添加シャンプーを選ぶこと
これらを意識するだけで、シャンプー選びの失敗を大幅に減らせるので、下記で説明する内容を必ず覚えておきましょう。
購入する前にシャンプーの成分表を確認すること
当たり前の話ですが、先ほどご紹介した危険な成分を含まないシャンプーを購入するようにしてください。
商品の中には「無添加」「オーガニック」を謳いながら、微量の成分が含まれているケースもよくあるため、分からない単語があればその都度調べるなど、成分表を確認することが何よりも大切です。
アミノ酸系・石鹸系の洗浄成分で作られたシャンプーを選ぶこと
シャンプーに含まれる危険な成分を総括すると、下記のようになります。
- 洗浄力が強過ぎないもの
- 刺激が弱いもの
- 余計な成分を含まないもの
これらのポイントを抑えた商品は、「アミノ酸系のシャンプー」か「石鹸系のシャンプー」しかありません。
アミノ酸系のシャンプー
アミノ酸系のシャンプーは、アミノ酸(タンパク質)の成分を使用しているため、人体の皮膚・毛髪・爪などとの相性が良いのが特徴です。
また弱酸性で比較的洗浄力が弱く、汚れをしっかり落としながら適度な皮脂を残してくれるので、敏感肌の方、ヘアカラーやパーマでダメージを受けている髪にも効果的。
特にシャンプーを選ぶ際には、下記の成分を含んだ商品を購入するようにしましょう。
- ココイルメチルタウリンNa
- ラウロイルメチルタウリンNa
- ラウロイルメチルアラニンNa
- ラウロイルサルコシンNa
- ココイルグリシンK
- ラウロイルグルタミン酸Na
- ラウロイルアスパラギン酸Na
これらの成分を見て分かる通り、「ラウロイル〜」「ココイル〜」と表記されているものがアミノ酸シャンプーになります。
なので気になる商品があれば裏の表記を確認し、上記で挙げた成分が最初の方に書かれてるものを購入するようにしてください。
美容師推薦シャンプー
石鹸系のシャンプー
石鹸系のシャンプーは、天然の動植物油脂から作られており、比較的洗浄力が強いのが特徴です。
なので頭皮のべたつきが気になる脂性肌の人や男性、または普段からスタイリング剤をよく使用する人に向いています。
ただし、石鹸由来の成分で髪の毛を洗うときしむ性質があるため、髪の長い女性や多毛の人、乾燥肌の人にはおすすめできません。
また、ヘアカラーやパーマをしている人は洗浄力が強い分、カラーの色落ちやダメージが進行する可能性もあるので、使わないほういいでしょう。
では石鹸由来のシャンプーを選ぶ際には、下記の成分が含まれているものを購入するようにしてください。
- 石けん素地
- 石けん分
- 脂肪酸ナトリウム
- 脂肪酸カリウム
石鹸系のシャンプーは、比較的シンプルな成分だけで作られているため、毛髪の補修や保護をする効果はありません。
なので特に髪の長い女性の場合は、ゴシゴシと洗うのではなく、優しく揉むようにしっかり泡立てるのがコツです。また、石けんカスが残りやすいので、頭皮までシャワーで洗い流すことを忘れずに!
美容師推薦シャンプー
【番外編】湯シャンのススメ
僕は日本と海外で美容師をした経験があるのですが、海外滞在中にとても驚いた事があります。
それは外国人の大多数が「毎日シャンプーをしない」ということ。色々な人に話を聞くうちに、以下の理由があるから洗わない選択をしていることが分かりました。
- 洗うのがめんどくさいから
- 髪が痛むから
- 頭皮が臭くなるから
- 節水
この中でも特にびっくりしたのが、頭を洗う頻度は少ないのに、臭う人の割合が比較的少ないこと。
むしろ毎日頭を洗ってるはずの日本人の方が臭うケースが多く、清潔過ぎるのが逆に良くないのではないかと思ったほど。
そこで色々調べていくうちに、たどり着いた答えが「湯シャン」との出会いでした。
実は、芸能人をはじめとした一部の人も湯シャンを取り入れており、タモリさん・福山雅治さん・ローラさん・中村アンさんなど、週に数回、又は週に1回だけ洗うやり方を実践しています。
彼らも共通して、「洗い過ぎは身体に良くない」「お湯だけでも充分汚れは落ちる」と言っているため、洗浄剤の使い過ぎが体に良くないことを発言しています。
湯シャンに関しては賛否両論ありますが、僕達夫婦が実践してきた経緯も含めて【別記事】にまとめてありますので、ぜひ参考にして頂けたら嬉しいです。
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まとめ
今回は、シャンプーに含まれる危険な成分ということで、おすすめの商品や正しい選び方について解説させて頂きました。
この記事からぜひ覚えておいて頂きたいのは、髪や頭皮を洗うという視点から、ケアをするという視点に切り替えることです。
洗浄剤と言え、体に触れるものは皮膚や体内に何かしらの影響を与えるため、自然由来の余計な合成成分を含まないものの方が体に良いのは確かだと思います。
特に、男女関係なく健康や美容に気をつかっている方にとって髪や頭皮を守ることは、見栄えを良くするのに大きく関わる話なので、知識として知っておいて損はしません。
ぜひ今回の記事を参考にしてもらい、ご自身の体を守るための安全なシャンプーを使うようにしてくださいね。
では読んで頂きありがとうございました。
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