現在子育て中の方にとって、お子さんの好き嫌いに頭を抱えている方も多いと思います。
栄養のことを考えてせっかく作っても、「味が嫌い」「匂いが嫌い」「見た目が嫌い」と言われてしまうのはショックが大きいですよね。
でも実は、子供の好き嫌いは正常な反応であり、無理して変えなくてもいいことはご存知ですか。
むしろ成長する為に必要なことでもあるので、今回の記事では根本的な原因を理解しつつ、無くしていく方法を解説したいと思います。
【結論】子供の好き嫌い=正常な反応
まず、食べ物の好き嫌いが分かるようになってきたというのは、成長している証です。
一般的に1歳半ぐらいになると離乳食から幼児食に移行していきますが、この時点で口の機能がある程度発達しています。
今まで飲み込んだり、舌で潰す程度のことしかできなかったのが、徐々に歯が生えてくることでしっかり噛んで味わったり、食感を認識するようになっています。
つまり食べ物が口の中にある状態が一定時間続くようになった為、「美味しい」とか「美味しくない」という感覚が自然と身についてきたということなんですね。
なので、今までよく分からなかった味を判別できるようになった訳ですから、むしろ褒めてあげる方が適切です。
もちろん、せっかく作った物を食べてくれないストレスは分かります。けどそこで怒ったり、無理矢理食べさせても逆効果なので、まずは親御さん自身が子供の成長を理解すること。
そのうえで、子供が嫌いな理由にはどんな原因があって、何をしたら解決するのかを子供と一緒に協力していくことが何よりも大切です。
子供の好き嫌いと偏食は違う
子供の好き嫌いに似たもので「偏食」があります。
一般的に好き嫌いに関しては、食べ物の好みがはっきりしており、例えば「キュウリは食べるけどトマトを食べない」といった状態。
逆に偏食に関しては、食べ方・食べる物が極端に偏っていることを表します。
例えば「ご飯を食べずにお菓子ばかり食べる」とか「お米は食べずにパンばかり食べる」といった状態です。
好き嫌いに関しては、調理の仕方や味付けの工夫である程度解決することはできます。しかし偏食はクセになっていることが多い為、一度習慣化してしまうと簡単に解決することができません。
また栄養が偏ってしまって成長を遅らせたり、病気になりやすい体を作ってしまうことから、ご自身で解決しようとせず、早めにお医者さんを頼ることが大切です。
子供の好き嫌いが多い理由
ではここからは子供の好き嫌いの原因について、更に深掘りしていきましょう。理由が分かれば解決策が見えてくるので、今後の子育てにも役立てて頂けたら嬉しいです。
子供の舌は大人より敏感
子供の好き嫌いが多い理由として、実は「子供の舌が大人の舌より敏感」だからなんです。
例えば、大人にとってはちょうど塩加減でも、子供にとってはかなりしょっぱさを感じるようにできています。
これは味覚に問題がある訳ではなく、子供の頃は舌の「味蕾(みらい)」が発達しているからなんです。
味蕾(みらい、英: Taste buds)は、舌や軟口蓋にある食べ物の味を感じる小さな器官である。 人間の舌には約10,000個の味蕾がある。
味蕾の数は個人差や年齢によって差があり、大人になるにつれて減少していく特徴があります。
そして減っていくごとに味覚が鈍化していき、小さい時に苦手だった物が、大人になると食べれるようになったというのはこのためです。
有害な物に対して体が拒否反応を示している
人間が感じる味覚は全部で5つあります。
- 塩味
- 甘味
- 旨味
- 酸味
- 苦味
塩味・甘味・旨味に関しては、人間が生きていくうえで必要なものだと本能が認識する為、味の濃いスイーツやカレーなどを好むのは自然なんですね。
それに対して酸味は腐敗している物、苦味は毒物の味と認識するので、体が拒否反応を示します。
つまり子供は感情で「嫌い」と言っているのではなく、生き残るのに不要な物として「摂るべきではない」と本能が訴えていることに理由があるのです。
なので苦手な物は何度も経験しながら、徐々に慣れさせていくしか方法がありません。
過去のトラウマ
子供の味覚が敏感であると同時に、記憶にも密接に関わっていることから、過去に食べた物で「苦かった」「酸っぱかった」「辛かった」など口の中で違和感があったことをずっと覚えています。
他にも、食べた後に「気持ち悪くなって吐いた」「痛くて血が出た」など、食べ物に対する悪い記憶が食欲を無くすきっかけになっている可能性があります。
また特に気をつけなければならないのが、親が嫌いな物を子供に与えるケースです。
親の好き嫌いや偏食は子供に遺伝する場合があり、目の前で親が食べない物は子供も食べたくありません。つまり馴染みのない料理を出しても、本能的に拒否するように体が自然と反応してしまうんです。
好き嫌いを改善する際にやってはいけないこと
では次に、好き嫌いを改善する際に絶対にやってはいけないことを下記にまとめました。
無理矢理食べさせる・怒鳴る
子供の為にせっかく作ったご飯を食べてくれないと、「何で食べないの!」「ちゃんと食べなさい!」と言いたくなるのも分かります。
しかし本能的に食べたくないと思っているのに、大人の理屈で説明したところで、まず子供は理解することができません。
むしろ何で怒られているかが分からず、そういった経験がトラウマになって食事が楽しくない。苦手な物が更に苦手になってしまう可能性があります。
なので親御さんが美味しそうに食べている姿を見せて、食べるまで放置しておくこと。それでも食べなければ次回再挑戦してみましょう。
そうやって何度も繰り返し、自ら口にするタイミングを待つことが大切です。
好物だけを与える
何度与えても食べないからという理由で、好物の食事ばかり与えてしまう方がいますが、それはむしろ逆効果です。
確かに何も食べないよりは食べた方がいいですが、かと言って偏った食事は栄養のバランスが崩れてしまいます。
なので苦手な物を与える際には、味付けや見た目を変える工夫をして、誤魔化しながら与えるようにしましょう。
またお菓子が好きな場合は、食事前に与えてしまうとご飯を食べる量が減り、お菓子の濃い味に慣れてしまって余計に好き嫌いが悪化してしまう可能性があります。
子供の好き嫌いを無くすコツ
では次に、好き嫌いを無くしていくコツについて更に深掘りしていきましょう。
食事をしながら会話を楽しむ
子供の好き嫌いが多くなってしまう原因の一つに、過去のトラウマや食事が楽しくないことが理由だったりするので、まずは親御さんがニコニコしながら楽しそうに食べることが大切です。
また声がけも重要で、「美味しいね」「たくさん食べたい」など、子供が自然と食べたくなるように仕向けることで、気づいたら口にするようになります。
「家族と会話をしながら食事をする=楽しい時間」と認識させたら、苦手な物を少しずつ改善していけるでしょう。
食事のタイミングを一定にする
子供の好き嫌いが出てしまう理由の一つに、好きな時にお菓子を食べさせたり、不規則な時間に食べる食事が原因になっているケースがあります。
またそういった食生活を繰り返していると、ご飯を食べる時間なのにお腹が空かなくなってしまう為、好きな物だけを食べるようになり、苦手な物を更に避けるようになります。
なのであらかじめ、朝食・昼食・おやつ・夕食の時間帯を決めておき、その時間以外は食べさせないことが大切です。
味付け・見た目の工夫をする
子供が嫌いな物で一番多いのが苦みがあるものや、酸味・辛味などの刺激があるものです。なので基本的にそういったクセのある食べ物を直接与えないようにしましょう。
例えばピーマンが嫌いな場合は、味の濃いカレーやハンバーグに混ぜることで味を誤魔化すことができ、緑色の見た目を隠すことができるので効果的です。
また苦手な野菜を使ったケーキを作ったり、甘く煮た野菜を星形にカットして装飾するなど、見た目が華やかになることによる興味を誘うのも◎。
一緒に料理をする(※年齢による)
ご飯は楽しいものだと認識させる為にも、一緒にご飯を作って楽しさを共有してあげることも必要です。
例えば野菜を洗ってもらったり、ボールに入れた物を混ぜるだけでも、食事に対する意識が変わるきっかけになります。
また子供が作ったご飯を家族みんなで食べることで、「〇〇ちゃん(くん)が作った〇〇美味しいね!」という言葉をかけることができ、食に対して興味を持つように仕向けることも大切です。
まとめ
今回は子供の好き嫌いが起きる原因や、解決策について解説させて頂きました。
実際に子育てにおいて多くのママ達が悩まされていることの一つですが、真面目な人ほどストレスを抱えがちです。
しかし好き嫌いがあるのは自然なことで、子供なら誰もが通る道だと理解すること。
そのうえで嫌いな物を無理矢理食べさせるのではなく、楽しく食べてもらう為にはどうしたらいいのかを具体的に考えることが大切です。
改善には時間と労力が必要ですが、丁寧に子供とゆっくり向き合っていけば、自ずと解決の糸口が見えてくると思います。
ぜひ今回の記事を参考にして頂き、子育てに役立たせてもらえたら嬉しいです。
ではいつも読んで頂きありがとうございます。
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